アラサー元腐女子の奮闘記

恋愛奮闘記からただの奮闘記に。生きることそのものが戦い

男の香りが信用度で変わる不思議体験

何でもかんでも意味があることだらけだとは思わないけど、「 コレなんの意味があんの?」 って思いながらする作業ほど無駄なものはないわけですよ。


ええ、私と浮気男の話なのだが。


一度「よっしゃー!止めたるでぇ!!」 と勢いよく浮気男の連絡先を消した日から、 私の中ではやはり1度死んだ関係だったのだと実感する日々である。


あぁ寂しい死んでしまう…と思っていたのはあの一瞬だけで、 彼が変わらずイチャイチャした内容のメッセージを送ってきたり会いたい会いたいと言われるたびに


『でもこの人、私と一緒になる気ないんだよなぁ』


と、繰り返し冷静な気持ちになる。


冷静な気持ちがサラサラの布を重ねるみたいに積み重なる。


熱いセリフをもらう度にそれは増えていき、 結構な厚みを持ち始める。


そして、あんなに好きだった彼の体臭・口臭が気になり始める。


別に臭いとかではないのだ。


この人病気!?みたいな臭さではないし、 むしろ一般的な30代男性の中なら良い匂いだし、 自前の体臭以外にもボディクリームやハンドクリームなどの香りに は気を遣っている人だ。


なのだが、気になる。


「あ、人の臭いがする」と思ってしまう。


人の、というか、自分以外の他人の臭いがする。


「好き!」と思っていた頃は、 その臭いを自分に付けたくて名残がほしくて、 全身で彼の臭いをつけていたのだが

 

今は家に帰って彼の臭いがすると「 わ、他人の臭いが家の中に」と思ってしまう。


髪に残った彼の臭いを電車で嗅いでいた私はどこへ行ってしまった んだ。


何度か「家に行ってみたい」と打診があったが、 何かにつけて無視したり断ったりを繰り返した。


は?ラブホ代けちってんじゃねぇ
便利に使うならせめて5,6000円くらい出せや


無料のお手軽ヘルスじゃねーんだよ

 

と、結構ひどいことが浮かんでしまう。


私にとって家は安らぐ場所である。
親しい友人や家族しか上げないし泊めない。


この安らぎの場で好きかどうかも分からなくなりかけている男に気を遣ってセックスするなんて、 なぜ私の城でそんな悲しい行為をせねばならぬのだ…。


ちょっと下ネタ系の話題を振られても、前なら「キャッやだー// /」となっていたのだが、「ハイハイ分かった分かった」 と思いながら、真顔で「キャッ///」 というテンションの返信を書く。


何言ってんだヤリ目が。

早く代わり見つけてくれや~

もう面倒くさい~
友達じゃあかんのか~
下ネタイチャイチャ以外だって私たち楽しくやってるじゃん


そんな思いが気持ちを占めてきて、甘い会話が業務になり、「 わしゃチャットレディ― かい」みたいな感想が度々浮かび上がるこの状況は、 果たして健全なんだろうか。


否。


決して健全な状況とは言えない。


このやり取りに意味はあるのか?
楽しいのか?
楽しいっちゃ楽しいのだが、 1日中つながっている程のことなのか。


友達とはどうでも良い話でつながっていられるのだが、 この人と私は一体何なんだろう。


今こうして関わっているのは苦痛なのだろうか?


私は楽しいんだろうか??


自分の気持ちもよく分からないし、 この人の気持ちを知りたいとも思わないし、 大事にしてあげたいとも思わなくなった。


ただ『これに何か意味はあるのだろうか?』 という疑問を抱いている段階で、 もう私たちの間にあるものには何の意味もない。


会いたいと言われると面倒くさい


2人で会おうと言われると「何話そう、 気まずいな」と思ってしまう。


2時間でも30分でも、コンビニに行く往復の時間だけでも、 ちょっとでも一緒にいたいと思っていた気持ちはどこへ行ってしま ったんだろうか。


私が好きな恋愛系ブログの方だかツイッターの方だか記憶が曖昧な のだが「キモイ」と思われたらお終いだと言っていた。


「無」はまだ良い。
女は「キモイ」と思ったらもうお終いなのだ。


その言葉が身に染みる。


「何でこの人はこの非生産的な関係に固執しているのだろう」


「ただの賑やかし要員の女にこんなロマンチックなこと言って、 プライドはないんだろうか」


「どんだけヤりてーんだ。気持ち悪いな」


「30過ぎてコレは… もっとオッサンになってからも若い子にこういう事送るのかな…」


キモイ


そう、私の天秤は「好き」から「無」を通り越して「キモイ」 に傾いてしまったのだ。

 

悲しい。

一度死んだ好きな人を蘇生させたけど、やっぱ何か違った、みたいな悲しさ虚しさである。