アラサー元腐女子の奮闘記

恋愛奮闘記からただの奮闘記に。生きることそのものが戦い

病み病み女との思い出③

もう今日は店長ダメな日だなーと思い

これ以上明るくピエロすることもないか…と黙って作業

 

よく分からん洋楽が店長のケータイから流れている。

 

沈黙

 

伊藤健太郎くん捕まっちゃったねー」

 

店長…クソほどどうでも良い雑談を繰り出す。

正気に戻ったのかな?

 

「そうですねー、せっかく好調だったのに残念ですね!」

 

伊藤健太郎くんってテラハに出ててー、もうテラハきっと消されちゃうと思うんだ」

 

私(テラハ見るタイプなんだ…)

 

30過ぎてテラハ見てる人に私は死ぬほど偏見がある。

 

「だからバチェロラッテに鞍替えした!」

 

コンボかよ

何というか、私隠キャだからさ…

そういうのちょっと、分かんないっつーか

そのラインナップ割と引いちゃうからさ…

 

嗜好をとやかく言うのも野暮なのは分かってるんだけどさ

 

朝から容赦ない不機嫌も相まっていたが、私はこの時に「この人とはダメだ」と決めた気がする。

 

それからまだ作業は続いていたが、藪蛇するのもなーと思い特に私から何かを話すことはなかった。

 

ずっと不機嫌な店長なのだが、ふと我に帰る時があるらしく

 

暗黒ブリザードの合間に急に普通のテンションで話しかけてくる。

 

怖い。

そのコロコロ変わるテンションが怖い。

 

この人情緒不安定なのかな?とも思うし

コレがもしこの人の普通だとしたら無理なんだけど…と思う。

 

無意識に不機嫌振りまく奴なんて無理なんだけど。

 

ひと段落したタイミングで、店長が「ご飯食べに行こっか」と言い出す。

 

え、あんな地獄みたいな空気出してたのに?

 

と思いつつ、ここで断るアレもないしなぁということで「一息つきましょー」と私もノる。

 

店長「何食べたい?」

私「パンとか食べたいッスね!」

店長「なんかお店知ってるの?(半ギレ」

 

えぇ…

多分「なんでオメーは調べようともしねーんだ」的なことなんだろうが、じゃあ何で聞いたよ…

 

私「逆に店長は何が食べたいですか?」

店長「特にない」

 

特にないのかよ…

 

「じゃあブラブラしながら探しますか」という私のナイスな提案により、ノープランでご飯を食べに行くことになった。

 

でも知ってるんだ、店長って1回街中ぐるっと回った後に「どこに行きたかった?」って聞いてくること…。

 

え、覚えてない。って思う…。

中華ですよ!

オシャレなお店ですよ!

カフェありますよ!

お蕎麦でも良いな〜

 

って目に付く入ってみたいお店を言っても、全部スルーしてとりあえずキリの良い通りまで歩いて行くこと…。

 

面倒くせぇ…

私は「今日はコレだ!」と決めてなければ何でも良い…。

早く座って美味しいもの食べたい。

 

もう15時なのにダルいなーと思って外に出たら、サロンから5分もしない場所にイートインがあるパン屋さんがあった。

 

お、コレで良いじゃん!と私の頭に電球が光る。

 

私「ココ前から気になってましたよね!入ってみましょうよ!」

店長「あーうん…私お金下さなきゃ」

私「どうせ明日も会うし、ここは私建て替えときますよ??」

店長「…うん」

 

何か渋々してる店長。

何の「うん」だかよく分からん。

 

もう面倒くさいし、あんな空気感の店長とダラダラ歩きたくないし、お店の看板が閉じてるように見えたので「まだ開いてるか聞いてみますねー!」と元気に宣言してサッと店の人に確認する。

 

「まだ入れるみたいですよー!」と元気に報告すると、店長はまた渋々やってきた。

 

パンのラインナップや店員さんの感じは何かアレではあったが、サッサと食べて早く帰りたいので気にしない。

 

2人でカバンを置いて、さて何を食べようかと立ち上がった矢先

 

店長「やっぱり私…お金下ろしてくる」

私「へ?」

店長「お金下ろして、そのままなんか食べてくるから」

 

そう言い残して去りゆく店長。

私はポカーン。

 

パンの気分じゃなかったのか?

本当は1人で食べたかったのに気を遣って私を誘ったのか?

それともこの店が嫌だったのか?

 

真相は謎だが、じゃあ誘わなきゃ良いのに…という気持ちしかない。

 

病んでんのか?と若干引きつつ、あんまんをカバンに忍ばせているのにアンパン買って帰った。

 

私は一体なぜそんなにあんこを欲したのか、動揺していたのかも知れない。

 

パン食ってやる事がなくなり、掃除でもするかとそれから1時間1人で掃除をした。

 

組み立ては明日だしやる事ないし、店長と顔合わせても良い事ないし帰るか〜

 

という事で、帰りますよーと連絡を入れると、しばらーくしてokの返信が来た。

 

あばよ!

と外に出ると、交差点に店長の姿あり。

 

挨拶は戦い

より早く明るく元気に挨拶した者が勝者となる

 

気付くかなー?って感じで手を振るが、店長はケータイを見つめている。

 

距離が縮まり「店長ー!」と声をかけ

「お疲れ様です〜!また明日〜!」と元気に挨拶をしたら

 

店長「お疲れ様です(暗黒」

と、目を合わせず去って行った。

絶対ここで働くのはやめようと心に決めた。