数週間して、Y君と2回目のデートである。
初対面の時と同様「アゴ長っ」という衝撃を新鮮に受け止めつつ、気を許した私は色んな話をY君とした。
そこで知ってしまったのが、Y君のプロフィールがセフレ君に近すぎることだった。
出身地や、バンドをしていたこと、彼女との付き合い方が似ている。
何で?出身地が一緒だとそうなるの?土地柄?
途端に「これは…」という気持ちになってくる。
1度終わった男と似通った人間は選びたくない。
しかも、彼らの出身地は広いようで狭い、知り合いだったらどうしよう。
ジワジワと減点要素が出てきてしまって、ちょっと残念な気持ちになってきた。
そして、お会計の時「次は私が出すよ」とは言っていたものの、もしかして半分くらい出してくれるかな~と思っていた。
甘かった。
伝票を見たY君は、キッチリ前回分になるように払ってくれた。
いや、良いんだけどね。
良いのよ。前回私も胸が痛んでいたからね?
良いのよ。
しかし、前回結構いったな!?良い焼肉屋だったもんな~
と、まぁ整合性は取れているので良しとするが、男気を見せる気が微塵もないということで、きっと彼の中で私はナイという判定だったのだろうと思った。
2軒目、私が大好きなガヤガヤしている安い居酒屋に連れて行くと、Y君はとても居心地が悪そうだった。
お互いの声はあんまり聞こえないし、変なお客さんが多い。
だが、私はこういう大衆居酒屋みたいな所が好きだった。
周りのお客さんの会話に耳を傾けながら、自分たちはマイペースにお酒を飲む。
そんな空間が好きなのだが、ビミョーに高級志向の彼にはお気に召さなかったらしい。
遠慮がなくなったY君は、ガンガン飲むしガンガン食べる。
まぁ安いから良いのだけれど、お店の不満を言いながら飲まれると「お気に入りなんだ」と言って連れてきた私はちょっと遣る瀬無い。
残念だが、彼も私のことは無いみたいだし、こういう所がダメなんだとお友達付き合いもきっとちょっとキツイだろう。
今日でさよならかと思いながらお会計を頼むと「お金おろして来て良い!?」と始まった。
もう何だか残念が過ぎるので、私が全額支払った。
無いと思い思われた男に金の話しをするような野暮はしねぇ!
と、私の中の江戸っ子が言っていた。
生粋の東北生まれ東北育ちだが。
だが、前回の奢りへの罪悪感も消えた上に、何ならトータル多く出しているという清々しさで、Y君にはいい勉強をさせてもらった気持ちだ。
それではさようならと思ったら、徐に腰に手を回される。
「この後どうする?」
時刻は23時。
明日は平日。
2軒目は私の全奢り。
この後もクソもない。
こんなダサい誘い方見たことないぞ!?
安く見積もられたもんだぜと思いながら「帰るよ!^^」と元気に返事をして、私たちは別れた。
1度も振り返らなかった笑
ナメられてんな~とは思うが、コレが若さを差し引いた私の実力かと思えば、まぁ今までの恋愛レベルや女子力から見れば妥当である。
多分友達の紹介とかだったらココまで雑ではないんじゃないかな?とは思うものの、ネットでの出会いなんてこんなもんであろう。
今後の課題を整理しつつ、Y君は思い出の人となった。