アラサー元腐女子の奮闘記

恋愛奮闘記からただの奮闘記に。生きることそのものが戦い

何で私がフられたの?って時の話をする。Nくんとの思い出①

何かトイレで思い出したから、数年前の「え?」ってなった話をしよう。

成仏したまえ、この記憶。

 

彼は同じ職場の1つ上の同期の男性だった。

 

6月

湿った空気の夕方、会社の前の交差点で信号待ちをしていると「お疲れ様です」と後ろから声をかけられた。

 

私は振り向いて挨拶を返そうとしたが(誰だ、この人…)と一瞬止まってしまった。

 

てっきり別部署のおじさんだろうと思っていたものだから、相手が想定していた人よりも随分若かくて面食らってしまったのだ。

 

同期なのか先輩なのかも分からない。

とりあえず当たり障りのない話をして、彼は駐車場に、私はコンビニに向かうためその場は別れた。

 

夜、お風呂から上がって一息ついたところで、見慣れない名前からLINEが入っていた。

 

『大崎さん、俺のこと分からなかったでしょ。同期のNです』

 

と、趣味の悪いスタンプと自己紹介が来ていた。

 

(同期の人だったのか)

 

複数人いる同期の中の1人で、全体LINEから私へ個人的にメッセージを送ってきたらしい。

 

こういうパターンは絶対面倒なことになる。

私はもう職場恋愛はしない。

 

なるべく関わらないようにしようと、その時心に決めた。

 

案の定『ご飯食べに行きませんか』とメッセージがきたが、『男の人が苦手だからごめんなさい』と返事を返す。

 

あなたの性別が男である限り、私はあなたとご飯に行くことはない。

さらばだ…。

 

それからしばらくは、Nくんから個人的に連絡が来ることはなかった。

 

しかしながら、何を思ったのかNくんは長期で外堀を埋める作戦に出始めた。

 

とにかく色んな人から「Nが大崎ちゃんとご飯行きたがってたよ」「Nって大崎さんのことスゲー好きだよね」「Nが仲良くなりたいって言ってたよ」とガンガン聞かされる。

 

直属の先輩や仲良しのおばちゃん

仲のいい先輩の旦那さんから果では仲良しの同期の上司まで…

 

一体どういう情報の回り方をしてるんだと、クラクラした。

 

古くて大きい閉鎖的な企業は、とにかく内部でくっつき結婚することが多い。

 

みんなその手の話が大好きなのだ。

 

晒し者にされた気分で、私の中のNくんの評価はガタ落ちだった。

 

10月

新人のマナー研修で、偶然Nくんと同じ班になってしまう。

 

苦々しく思いながらも、雑な私の仕事ぶりをカバーするNくんに少し心を開き始めた。

 

2日間の研修最終日、私は終業後友人とご飯に行く約束をしていた。

 

また同じ交差点でNくんと出会す。

 

「大崎さんいつも秒で帰るけど、どっか行くの?」

「あー、今日はこれからご飯。T駅まで行くんだー」

「そっか、気を付けて。お疲れ」

「ありがとー、お疲れ〜」

 

そう言って別れ、駅前に着いた頃

 

『T駅まで車で送ってこうか』とLINEがきた。

 

私は自分でも分かっているが本当に気紛れな生き物である。

 

その日は機嫌が良かった

研修の中で、Nくんにも若干気を許していた。

 

『良いの!?ありがとう!』と返事をしていた。