アラサー元腐女子の奮闘記

恋愛奮闘記からただの奮闘記に。生きることそのものが戦い

Nくんの思い出②

『ソッコー迎え行く!』というLINEの通り、Nくんはマジで数分後に駅に迎えに来てくれた。

 

どうせダメだろうと思ってちょっと帰路に着いていたけれど、まさかokされると思わなくて急いで引き返した

 

と、ちょっと興奮気味に教えてくれた。

 

(この人何でロクに話したこともない私にそんな時間と労力をかけられんだろう)と、ボーッとしながら聞いていた。

 

車の旅は30分くらいで、色んな話をした。

 

Nくんはバンドマンだったこと

今まで正社員になったことはなかったけど、やっと落ち着いて仕事ができそうだということ

 

私が男の人が苦手な話し

事務仕事も苦手な話し

同期や先輩の噂話などなど

 

そんな事を話していると、Nくんが言った。

「俺で男嫌いのリハビリすれば良いんじゃないの?」

 

何を言ってんだコイツは…と、ちょっと引いた。

 

職場の人と面倒なことになりたくなくて、明らかに個人的に関わろうとしている異性と親しくするもんかいと

 

かわしている内に目的地に着いた。

 

また数日後、Nくんからご飯のお誘いがきた。

ジブリっぽいカフェに行きませんか?』

 

こないだのドライブはそんなに苦じゃなかったし、ジブリっぽいカフェ…!

 

1回ご飯行けば満足してもう外堀埋めようとするのもやめてくれるかもだし?

ジブリっぽいカフェ…!!

 

それにこないだは送ってもらっちゃったし、ジブリっぽいカフェだし、1回くらい行ってみるか!

 

と、すっかりジブリっぽいカフェの吸引力に負け+そんなに私が好きかという優越感にも負け

 

個人的に親しくはすまいと思っていたNくんとご飯に行くことになった。

 

今なら分かるが、私はそこまで私に一生懸命になる人が好きなのだ。

私のことが大好きっぽい人が好きなのだ。

 

ジブリっぽいカフェはめっちゃ良かったし、Nくんが奢ってくれたのもとても良かった。

 

そうかそうか、褒めて使わそう^ ^みたいな気持ちだった。

 

それから暫く、週1で友達と遊びに出かける私の生活習慣に気付いたのか、Nくんは送り迎えを買って出てくれるようになった。

 

申し訳ない気持ち3分の1、電車代浮いてラッキー3分の1、優越感3分の1って感じだった。

 

そんなある日、いつも通りNくんから『何時に帰るの?』とLINEが届く。

 

『遅くなっちゃったから電車で帰るよ、スゴイ酔ってるし』

 

『ウチ泊まれば良いじゃん』

 

おや…とは思った。

思ったし、コレはセックスだな、とも思った。

 

私の中で天秤がグラグラし始める。

 

明日も仕事

職場の人はイヤ

てかNくんを好きかどうか分からない

でもセックスしたい

可愛い服買ったから着替えはバッチリでは?

でもパンツ…

コンビニで買えば良いよね

てか眠くない?Nくんちの方が会社近いし、何もしないかもよ

でもセックスしたい

でも好きか分かんない人と致すのは私のプライドが…

Nくんこんなにアッシーしてくれるんだから私のことメッチャ好きだよ!ありあり!

セックスしてぇなぁ

つーか眠いもんなぁ

こんなにお世話になってるし1回くらい良いじゃん?

 

いっか!

 

ということで、コンビニで替えのパンツを買っていそいそとNくんのお家へ向かったのである。