彼女が途切れたことがない上にちょいちょい浮気やワンナイト、やり逃げも何のそのと豪語するくずぴ。
とっても正直な感想を言うと、くずぴはイケメンではない。
でも、パーツは整っているし清潔感はある。
若干前髪長すぎ問題はあるのだが、ちゃんと美容室に行って短くすると青年っぽい。
頭がまぁるくなって可愛い。
年相応のカッコはしていない。
ズルズルしてる、何か。
フェミニンなカッコというのだろうか??
女子でも共有できそうな服を着ている。
くずぴは人畜無害に見える。
自意識過剰なので人見知りが激しいのだが、こちらが話せばキチンと答えてくれるし、慣れるとくずぴから雑談もしてくれる。
慣れない野良猫が懐いてきた感じ笑
くずぴは優しい。
こちらをよく観察している。
寒そうにしてると、冷房止めますか?
ゆず茶飲みますか?
ぼんやりしてると
疲れました?
イライラしてクッションで殴りかかっても
笑ってギャグにしてくれる
くずぴは思わせぶりだ。
ちょっとした移動の時、いつの間に隣にいる。
ミーティングの時も、いつの間に隣にいる。
毎日何かしら連絡をくれて、つい勘違いしてしまう。
多分、くずぴは種を蒔く。
私が恋愛のフィールドで獲物を銃で狙う狩猟民族だとすると、くずぴは農耕民族だ。
たくさんそうやって種を蒔いて、その中で発芽した、自分に気がありそうで自分のお眼鏡に叶うのを育て、摘み取る。
収穫して食べてみて、違うなぁとかイマイチだなぁとか、コレを食べ続けようとか決めるんだと思う。
くずぴは自分のことを「モテるとは思わない」と言うが、無意識で種を蒔いているからなのか、コレだ!という収穫がないからなのか。
私はいつも、森の中をウロウロして大きな獲物を狙う恋愛をしてきた。
私が種になって発芽して収穫されたのは初めてだったのだ。
パッと目に入って「好き!」ってなる人以外、好きになったことがなかった。
まさかハンターの私が種になってしまうとは…ちょっと癪である。
今まで「男の顔以外いったいドコを見たら良いんだ」と思っていたが、くずぴは初めて仲良くなって好きになった人だった。
ろくでなしだったんだけど、段々近づいていく過程は楽しかったし、恋愛でない部分でも繋がっていたいと思える異性は初めてだった。
くずぴを見かけると胸が痛むし、また一緒にいたいとも思うのだが
こうやってくずぴの記憶を掘り起こすだけでも幸せだから、しばらくは思い出語りばっかりになるかも知れない。
また遊びたいな…